2022/01/24 02:03

 12月

早い冬の訪れで、どこもここも真っ白ですね。
私たちはまだ冬の準備が途中だったので、雪の中での大仕事です。
それでも牛たちは突然の寒さにも負けず、
元気に雪をかぶりながら過ごしています。

先日私が牛舎の搾乳室を掃除していると、「なな」がやって来て、
せっかくきれいにした道具をペロペロと舐めて邪魔をしました。
「こら、なな」と言うとしばらくはジッとしていたのですが、またいたずらを始めました。
私はしょうがなくブラッシングしてあげると、
あそこもここもと首を伸ばして気持ち良さそうにしていました。
そして掃除が終わるまでずっと私を監視してくれていたのでした。

 今年も残りわずかとなりましたが、一年間本当にありがとうございました。
牛たちも増えて何かとバタバタしている私たちですが、
こんな時こそ気持ちを落ち着けて過ごしたいと思っています。
どうぞこれからも宜しくお願い致します。
寒くなりますが、楽しいクリスマスそして良いお年をお迎え下さい。

 

11月

 今年は秋の到来が早く、すっかり紅葉の季節と
なりましたが、いかがお過ごしでしょうか?
なんだか冬の準備をせかされている
ようで、焦ってしまいますよね!

 
10月の始めに「くるみ」が無事お産をしました。
朝、お父さんが牛舎に行くとすでに仔牛が生まれていて、
「くるみ」のお乳に吸い付いているところでした。

お産がだいぶ遅れたので心配したのですが、親子の元気な姿に安心しました。
「くるみ」は外の小屋に連れて行った仔牛を呼んで、しばらく鳴いていました。
そして、それを見ていた「なな」まで不思議そうな顔をして
仔牛に向かって鳴いていました。
その姿がとても可愛くてしばらく見ていたのですが、
「なな」はいったいどんな気持ちだったのでしょうね。

 そして、今年も近所の農家から頂いた南瓜を
しっかりと食べて、冬の準備も万端の牛たちです。
きっと風邪もひかずに元気に過ごしてくれることでしょう。
皆さんも寒さに負けず、冬の準備に励みましょう。

10月
 
一雨ごとに秋がゆっくりとやって来ているこの頃です。
いつの間にか、放牧地の山ブドウの葉がまっ赤にそまっていました。

私たちは加工場から放牧地で寝そべる牛たちを見て、
「今日は涼しいんだね!」などと言うくらい牛たちは季節に敏感なのです。
風が一番通る場所で涼んだり、雨のシャワーを浴びて帰ってきたり、
まるで夏の暑さを癒すようにこの秋を満喫しています。

一ヶ月前から育成牛の「なな」を親牛たちの中に入れてあげて、
少しずつ集団生活に慣れさせています。
「なな」は嬉しくてみんなの所に寄っていくのですが、
頭で突き放されて悲しい顔をしています。
可愛そうですが、こうして集団に慣れていくのかな、
と見守っているところです。
そして、最後には母牛の「ちょん」のそばに寄り添っています。
やっぱり親子なんですね。
そんな牛たちの姿を見て、今年も秋の緩やかな陽射しが少しでも長く
続いてくれたらと思っています。
 

9月

  日中の暑さは続いていますが、朝晩はすっかり涼しくなり、
秋が少しずつ近づいているこの頃です。
皆さんいかがお過ごしでしょうか?

先月は暑い中、ソフトクリームを食べに来て頂き
本当にありがとうございました。
みなさまとお会いし、お話しすることができて良かったです。
また一年に一回ですが、このような機会に是非
牛たちに会いに来てください。

 先日、夜の動物園ならぬ、夜の放牧地を見に行くと
みんな気持ちよさそうに寝そべったり、草を食べたりしていました。
日中の暑さの中、扇風機の前でジッと耐えていただけに、
よりいっそうくつろいで見えました。
満月にみたない月明かりに照らされて、
草をはんでいる牛たちは何だかとても幻想的でした。
夏が終わってしまうのは寂しいですが、
牛たちにとっては早く涼しくなってほしいです。

8月

 真夏の陽射しが続いたと思ったら前日と10℃も差のある日があり、
今年の夏はどんな夏になるのでしょう。

最高気温が15℃だったある日、牛さんたちは朝放牧地に出て
行ったまま夕方まで一度も牛舎に帰ってきませんでした。
よっぽど草の上が気持ちよかったのでしょうね。

牛の快適気温は10℃と聞いていたので、本当なんだなと思いました。
これから暑くなると早朝放牧地に出て行き、一時間くらいで牛舎に戻ってきて
しまい、夕方の搾乳までずっと扇風機の前を離れなくなります。
牛たちにとって暑さは最大の敵かもしれません。
今年も健康で元気に夏を乗り越えてほしいと思っています。


8月11日(土)12日(日)の二日間のみ(10時~4時30分)
クリーマリー 農 夢(MILK BARにて)牛乳ソフトクリームを
用意しますので、ぜひ食べにいらしてください。



7月

若葉が濃い緑色に変化し、夏の装いになってきました。
みなさんお元気でお過ごしでしょうか?

農夢の牧場では始まって以来のベビーラッシュで、「ちゅん」「さだ」「ちょん」の仔が
次々と生まれ、あっちで「べー」こっちで「べー」とにぎやかです。
 仔牛には一日三回授乳するのですが、お父さんは毎日大忙しです。

何せ三つ子のようなものですから!
でも仔牛の声を聞くと心が和みます。
忙しくてバタバタとしていても、あの鳴いている顔を見ると自然と笑顔になります。
これはきっと仔牛の魔力なのでしょう。
 お産を終えた親牛たちもみな元気に過ごしていますが、
高齢の「さだ」はちょっと疲れている様子です。
それでも美味しいミルクをたくさん出してくれています。

これから一年中で一番良い季節ですが、牛さんたちに青草を
一杯食べてもらい、初夏を満喫してほしいです。

6月

 
すっかり若葉の美しい季節となりました。
4日に「ちゅん」が10日に「さだ」が無事にお産をしました。
「ちゅん」の子「レラ」は早産だったせいか、ミルクを上手に飲めずに
心配したのですが、今では元気に走り回っています。

「さだ」は13回目のお産でした。
母子共に元気なので、とても安心しました。

ここ数日で草も伸び、牛たちも青草を食べて今年も夏のミルクへと変化しています。

「ちょん」もお産の準備に入っている様子で、今か今かと待っているところです。

「レラ」がお腹がすいて泣き出すと、母牛の「ちゅん」が心配そうに
なきだし、それを聞いた「モモ」が答えてなきます。
そして「何事?」とばかりに「なな」がなきだし、
もう牧場中に牛たちの大合唱が響いています。
この様な牛たちが頑張ってミルクを出してくれますので、
今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

5月

  何となく足踏みしていた春もようやく少しずつ歩き出した感じですね。
今年は例年より早く、裏山へ牛たちを放してあげる
「農夢の春一番」が行われました。
牛たちは待ってましたとばかりに走り回り、喜んでいました。
ただ昨年の秋にやって来た「くるみ」はまだ放牧地が良く分からないようで、
みんなについて行けずに迷っていました。
お父さんが他の牛たちのところに連れて行ってあげましたが、
きっとすぐに慣れてくれることでしょう。

雪融け直後の山には笹しかありません。
青草が伸びてきたら笹なんか見向きもしないのですが
この時期は良く食べてくれます。
このようにして少しずつですが、山の笹が少なくなり牧草地が広がっています。


さて、5月14日(月)から一週間、25年前に私たちがオーストラリアの牧場で
お世話になった牧場主のピーターが会いに来てくれる事になりました。
家畜を飼い始め、二度とピーターに会うことはできないと思っていたので、
その知らせを聞いた時飛び上がって喜びました。
ピーターの牧場は私たちの原点なのです。
家畜との触れ合い方、衛生的な搾乳方法、何より牛飼いを
楽しむことを教えてもらいました。
現在のクリーマリー農夢を見たら何て言うでしょう?
今からワクワクしています


4月

 本州から桜の便りが届く季節です。
いつもなら「北海道はまだまだ先なのに」と思うのですが、
「今年はもうすぐだな!」と感じます。
牛さんたちもきっと「早く春が来るだろうなぁ!」と思っていることでしょう。

この冬は雪も少なかったせいか雪融けが早く、
フェンス張りの仕事はありますが、もうすぐ広い放牧地に出してあげられそうです。
しかし、その前に牛さんたちは削蹄(足の爪切り)をしなければいけません。
削蹄師という資格を持った人に来てもらい、爪を切って整えてもらいます。
牛も爪が伸びると歩きにくくなり、引っかけて怪我をしやすくなったり、
爪の 病気になったりするのです。
牛、馬などの四つ足の動物は足が命なのです。
特にここでは放牧しているので、大事故につながりかねません。
いつまでも元気に過ごしてもらうために、年に二回蹄を整えてもらっています。
さて、牛さんたちの身体は冬毛から春毛になり、
爪もすっきりとして広いところに出て行ける日を今か今かと待っています。
雪がすっかり消えて天気の良い日など、散歩がてら牛さんたちに会いにいらしてください。


3月

今年は暖かな冬ですが、冷え込んだり雪が降りしきる中、
ふっと「春」を見つけるととても嬉しくなります。
白樺や桜の木の芽がふくらんでいたり、森の中をアカゲラやカケスなど
色々な鳥たちが飛びかう姿を見ると何だかうきうきしてきます。

 牛舎でもそろそろ牛たちがモコモコの冬毛から春の装いと変身する時期です。
「ちゅん」は特に長い毛になるので、「熊さんみたいだね」と言っています。
うちの牛たちはブラッシングが大好きで、専用のブラシを持ってくると、我先にと寄ってきます。
きっと一日も早く冬毛を取ってスマートな美人になりたいのでしょう。

 毎年この頃は牛舎中がしばれて(凍って)バリバリ状態をお伝えするのですが、
今年は本当に楽で、水を落としたのも(水道凍結防止のため水抜き栓を閉じて
すべての水道の水を抜く作業)たったの二回だそうです。
「このぶんだと雪融けも進み、いつもより早い時期に
放牧地を広くしてあげられるかな?」と牛たちに話しています。

2月

 
日中の時間が少しずつ長くなり、春の訪れが近くに感じるこの頃です。
今年は暖かな日が多いせいか、牛さんたちも頻繁に外に出て日光浴をしています。

育成牛の「なな」も一回り大きくなり、やんちゃになってきました。
まだ、親牛たちとは一緒にしてあげられないので、
牛舎の中の小さなパドックで生活しているのですが、
餌を食べて水を飲んで、お腹がいっぱいになるとはしゃいで
「どたん、ばたん」と寝草を鼻っ面で吹っ飛ばし、まるで子犬がじゃれているように跳ね回っています。
お父さんがパドックの中を掃除してあげると、小さな足でキックをします。
お父さんは「こら、そんなことしたらいい母さん牛になれないぞ!」と叱っています。
しかし、「なな」は父さんと遊んでほしくてジャンパーを引っ張ったり、
頭をくっつけたりして、掃除の邪魔をしています。
どうも「なな」は、父さんを友達だと思っているようです。
私はそんな様子を見て「牛を大切に扱ってあげれば、
牛もそれに答えてくれるんだなー」と思いました。
まだ雪融けまではしばらくありますが、牛たちが緑の草原を走り回る頃、
「なな」はもう一回りも二回りも大きくなっている事でしょう。
そんなことを想像しながら春を待ち望んでいます。


1月

 
 明けましておめでとうございます。
 今年は穏やかで暖かい年明けでした。
一年の計は元旦にあり。
初春の陽射しのような一年であってほしいですね。

 昨年末に「モモ」が無事お産をしました。
「モモ二郎」と言います。
モモの跡継ぎがほしかったのですが、名前の通り雄でした。
雄の子は約一ヶ月で肉用牧場へ売られてしまうので、ちょっとがっかりしましたが、
前回のお産の事があったので無事に元気な子を産んでくれた「モモ」に感謝しています。
「モモ」は産後で身体が辛いはずなのに、いつも「モモ二郎」のそばにいて「ンー、ンーン」と
呼びかけながら身体を舐めています。
「モモ」は9年前にうちで初めて生まれた牛ですが、その微笑ましい姿に
「いいお母さんになってくれたなー!」と嬉しく思いました。

今年も牛さんたちと共に、美味しい乳製品作りを心掛けます。
どうぞ本年も牛さん共々、宜しくお願い致します。