2022/01/24 02:04

12月
 
あっという間に降り積もった雪は何もかも
覆ってしまい、自然の力とはすごいものですね。
今年も最後の月となりましたが、
一年間ありがとうございました。
 ふり返ると農夢では牛たちの入れ替わりがあり、いつにも増してドタバタの年でした。
新しい牛がやってきて私たちも大変だったのですが、
長年過ごしている「ちゅん」や「ちょん」達の方が
苦労したことと思います。
冬に入り、ようやく牛たちの関係も
落ち着いてきた様子です。
 
来年は「丑年」です。
 牛たちから美味しい牛乳と元気をもらって、
より良い一年になることを祈っています。
 どうぞ楽しいクリスマス、
そして新しい年をお迎えください。


11月

 
 暖かかった秋もあっという間に通り過ぎ、
いよいよ冬の到来です。
今年も冬支度の季節ですが、いかがお過ごしでしょう?

 だんだんと朝起きるのも辛くなり、真っ暗な中を牛舎まで行く足取りが重たい毎日です。
しかし、電気をつけて「Qちゃん」や「なな」がもう並んでいて「早く搾って!!」という顔をしているのを見ると目が覚めるのです。

 そんなある朝、牛舎に行くと牛たちが誰もいません。
一瞬目をうたがって、「もしかして脱走?」とびっくりし、あわてて真っ暗な中、懐中電灯で照らしながら放牧地に行くと、全員かたまって寝転んでいました。
 その日は暖かな風が強く吹き、きっと気持ちよかったのでしょう。
 夏場は良くあるのですが、こんな時期にははじめてだったので本当にびっくりしました。
当の本人達は「あーぁ、もう搾乳か・・・」という顔でした。

 今年も牛たちと共に冬を迎え、
長い寒さとの戦いがはじまります。
皆さんも風邪などひかぬようお気をつけください。

10月

 
 秋の気配がだんだんと山の上から降りてきて、美しく彩る季節となりました。
今年は暖かい日が長く、秋を楽しめそうですね。

先日、例年より早く南瓜が届きました。牛たちは大喜びです。
「トントン!!」とナタで割っているそばから鼻を突き出して催促しています。
 そろそろ放牧地の草があまりなくなるので、
牛たちは牛舎の中の美味しいものをねだりはじめるのです。

そんなある日、私がみんなを放牧地に追っていくと
「まる子」が途中の坂で立ち止まっているのです。
「どうしたの?まる子、行っておいで!」と言うとトボトボと放牧地へ向かいました。
そして私が戻りかけたら後ろから気配を感じたのです。
なんと、振り向くと「まる子」が付いてきていました。
その姿がとてもおかしくて、まるで「だるまさんが転んだ?」のようでした。
少しでも長くこんな暖かな日が続くといいですよね。

『定休日のお知らせ』
クリーマリー農夢のお店「MILK BAR」に定休日を設けさせて頂きました。
毎週水曜日と木曜日です。どうぞ宜しくお願い致します。

9月

 
秋の風が吹きはじめて夏はもう終わりでしょうか?
朝晩の涼しさで、裏山の木々も色づきはじめています。

 先日お父さんが自転車でトレーニング中に急斜面で転倒し、
大怪我をして入院してしまいました。
幸いにも大事に至らず数日で退院してきたのですが、
しばらく搾乳ができなくなってしまいました。

次男と私は途方に暮れていたのですが、ここでお菓子をつくっている
野口さんと父さんの友達がすぐに駆けつけてくれて、毎朝晩助けてくれました。
加工はいつも手伝ってくれているお隣の奥さんが、
不足分を動き回ってカバーしてくれています。
牛たちも突然の出来事に何か変だという顔をしています。
私たちの言うことをきななくて困ることもありますが、
「頼むからよい子にしてね」とお願いしているところです。
こんな状態ですがみんなで力をあわせて頑張ります。

8月

   今年の夏は暑かったり涼しかったりですが、体調を崩していませんか?

7月の暑い日に「なな」が無事初めてのお産をしました。
予定日より早かったので、私たちは何の準備もしていませんでした。
そんな時次男が子牛の足が出てきているのを発見し、
あっという間に自力で産んでくれました。
生まれてから半日ほど母子を一緒にしていたのですが、その後子牛を
外の小屋へ連れて行くと「なな」は後を追ってしばらく鳴いていました。
そして遠くの放牧地から子牛をジッと見つめている、
おばあちゃんになった「ちょん」の姿が印象的でした。

農夢のThanks Giving Day !

 日頃の感謝を込めて8月16日(土)17日(日)の二日間のみですが
(10時~4時30分)
 クリーマリー 農 夢(MILK BAR)で牛乳ソフトクリームを用意します。
ぜひ食べにいらしてください。
心からお待ち申し上げております。

7月

  毎日少しずつ気温が上がり、夏が近づいているこの頃です。
「まる子」と「Qちゃん」は農夢の牧場にようやく慣れてきて、
落ち着きを取り戻した様子です。
来たばかりの頃は、搾乳の機械を付けられるのを嫌がり
足を上げるし、餌を食べる場所はなかなか覚えられないなど大忙しでした。

今「ちゅん」と「ちょん」が乾乳期(お産を控えて乳の出ない時期)
なので、新メンバー4頭が頑張ってミルクを出してくれています。
そして、7月にはいよいよ「なな」が初めてのお産を迎えます。
まだいたずらばかりする「なな」に「もうすぐお母さんになるんだからね」
と言い聞かせています。
ここ数週間で身体もすっかり大きくなり、「お腹の赤ちゃんも動いているよ」
とお父さんが毎日お腹の上から確認しています。
「なな」はお腹を触られ不思議な顔をしています。
楽しみなような、心配なような母子共に元気に
お産を迎えてくれたらと祈っています。
いったい「なな」のミルクはどんな味なのでしょうね。

6月

 ようやく新緑の美しい季節となりました。
暖かかったり寒かったりで、体調を崩していませんか?

先日、10年と8ヶ月一緒に暮らした「さだ」が出舎しました。
「さだ」は15才、まだまだ美味しい牛乳を
いっぱい出してくれていました。
しかしここ数年、お産の度に足腰が弱ってしまい、
搾乳室へもやっと足を引きずって入ってくれていたのでした。

お父さんと何度も話し合い、「さだ」の引退を考えていました。
ずっと家で飼ってあげようとも話していました。
しかし見ていると、次々と入ってくる若い牛に追いやられ
「さだ」がくつろげるのは、他の牛が満腹になって寝床に着く夜中でした。
「さだ」が一人で乾草を食べている姿を見て、こんな生活がはたして
「さだ」にとって幸せなんだろうか?と思い決心したのです。

可愛い娘との本当に辛い辛い別れでした。
今でもトラックに乗って出て行く時に、お父さんの顔をずっと見つめ
最後に私にふっと目を向けてくれた顔が忘れられません。

こうして牛たちと生活している以上、別れは必ずやってきます。
だからこそ私たちの牧場にいる間は、本当に
幸せに暮らしてほしいと願っているのです。


5月

雪どけが早く暖かい季節になりました。
昨年の秋に植えた球根が次々と芽を出し、
いつもより早い花を咲かせてくれています。
長い間雪の下で耐えていただけに、
花々を見ていると生命の力強さを感じます。

 
さて我が家にまた、5月出産予定の新しい牛
「Qちゃん」がやって来ました。

これで8頭の大家族になりました。
新しい牛が2頭も増えてみんな戸惑っている様子ですが、
同世代の「なな」が2頭の牛達を一生懸命舐めてあげる姿は微笑ましいです。
しかし、4月中旬出産予定の「まる子」のお産が遅れています。
お父さんが毎日「まる子」のお腹の上から元気な子牛を確認して
いるのですが、初産なので心配です。
ここ数日手が空くたびに様子を見に行っていますが、
予定日よりも1週間遅れたら獣医さんに診てもらおうと思います。

何はともあれ「なな」の面倒見の良さにびっくりすると同時に、
優しく育ってくれて嬉しく感じる私たちです。


4月

 
雪が融け始めた山々に、白樺の白い幹が模様をつけて
青空に映える美しい季節となりました。
北国の春は一つ一つが新鮮です。
地面に待ってましたとばかりに顔を出した
フキノトウを見つけると嬉しくなります。

 先日、新しい牛がやってきました。
もうすぐ初めてお産をする「まる子」です。
まだみんなに馴染めずにいますが、
早く仲良くなってくれたらと見守っているところです。

そしていたずら大好きの「なな」と「くるみ」は、
雪が融け始めてだんだんと行動範囲が広くなり、
そろそろ気を付けていないと暖かい陽気に誘われて脱走しそうです。
毎年のことながら、牛たちも春を感じて嬉しいのでしょう。
まだ真っ白い大雪山がくっきりと見えたりすると、
私たちも春を探しに出かけたくなります。
今年は雪が少なく暖かい日が続いているので、
いつもより早く牛たちを広い放牧地に出してあげられそうです。

3月

 
寒さや雪の日の中にもどことなく春の気配が感じられる頃となりました。
お元気にお過ごしですか?

 この時期になると牛たちは、晴れたり気温が上がると外に出て雪の上で、
季節の変わり目を感じているようです。
今年は7月に「なな」が初めてのお産を迎えます。
まだ身体も振る舞いも子牛のようですし、いたずらばかりして
毎日のようにお父さんに叱られています。
ちょっとでも時間があれば遊んでほしいのか、
お父さんを見つけてちょっかいを出しては走り回っています。
牛はお産を重ねるごとに性格も落ち着いていくのですが、
「なな」は良いお母さん牛になれるのでしょうか?
楽しみなような、心配なような・・・。無事にお産を迎えてくれることを願っています。
そんな気持ちで私たちは、牛たちと共に暖かい春を待ち望んでいます。


2月

立春も近づき、暖冬という言葉もどこへやら、
寒さの厳しい日々が続きました。皆さん風邪などひいていませんか?
 そんな寒い日、私たちの愛牛「モモ」が出舎して行きました。
「モモ」は若い時から受胎しずらく、一回の受精で受胎することはありませんでした。
受精が計画的に進まないと原料乳が不足してしまうのです。
その上「モモ」の乳管が細くなりすぎて上手く乳が出てこなくなってしまったのです。
そのため搾乳時間が長くなり、「モモ」の身体に負担が大きくなってしまいました。
 私たちの牧場で生まれてから10年間色々な思い出をつくってくれた「モモ」。
一番私たちに慣れていて、自分は人間だと
思っていた「モモ」・・・辛い決断となったのでした。
本当に悲しく身を引き裂かれる思いでしたが、
「ありがとう」と気持ちを込めてトラックを見送りました。

今でも牛舎にぽっかりと空いた「モモ」の寝床を見ると辛いです。
しかし本来の牛らしく、自由にそしてストレスや苦痛を少なく、
私たちができる精一杯を「モモ」にしてあげられたと思っています。
 生きているものと生活している以上通らなければならない辛い道ですが、
これからも牛を大切に、そして牛と共に生きていこうとあらためて強く思いました。
 

1月

明けましておめでとうございます!


 
新しい年が明け、皆様それぞれの気持ちで過ごされている
ことと思います。
今朝起きたら新雪の上にウサギの足跡がありました。
ちょうど裏山から下りてきて、家の前でUターンして帰っていったようです。
年始の挨拶に来てくれたのでしょうか?
私はここに住んでまだウサギに出会ったことがないので、
しばらくその可愛い姿を想像していました。

さて、我が家の牛たちもお陰様で元気に新年を迎えました。
今年も大切な家族である牛たちと共に美味しくて
安全な乳製品づくりに励みます。

また、今まで私たちが実践してきました牛の飼い方が
やっと「家畜福祉」という言葉で一般に評価されはじめました。
そして近々「家畜福祉法」という法律ができるそうです。
その法により家畜の飼育方法に基準が設けられ、
今よりストレスの少ない環境で生活できることになるでしょう。

目に見えない食の安全にも関心を持っていただけたらと思います。
どうぞ本年も牛さん共々、宜しくお願い致します。



「ちゅん」今年9才になります。