2022/01/24 02:06

 12月

 長い秋を過ごしていたら、
あっという間に雪が積もり12月を迎えました。

先日、冬仕度に追われる中、
生後3ヶ月の「ばなな」が脱走しました。

「ばなな」は牛舎の外の小屋に、
頑丈な首輪でつないであったのですが、
それを引きちぎったのです。

思いがけず自由になった「ばなな」は、
よっぽど嬉しかったのか自分の小屋のまわりを
くるくると走り回り、
お父さんの声に耳も傾けず逃げていました。

お父さんは捕まえようとして、
餌入りのバケツでおびき寄せたのですが
だめで、色々と考えた末、
いつも飲んでいるミルクの哺乳瓶を見せると
すぐに寄ってきたのでした。

「ばなな」の首に大急ぎでロープをかけて捕まえたのですが、その力の強いこと!!
あらためて大きくなったことを実感したのでした。

そろそろ雪も積もってきたので
親牛たちのいる牛舎に引っ越しをします。


今年も一年間ありがとうございました。
やっと後継牛も生まれホッとしています。

また、年明けには「ちょん」と「Qちゃん」が
続けてお産をします。

来年も可愛い牛たちと共に頑張りますので、
どうぞ宜しくお願い致します。

楽しいクリスマス、そして良いお年をお迎えください。


 11月

 いっきに秋の気配が深まってきました。
今年は暖かい日が続き紅葉があまり美しくないと
言われていますが、裏山のうるしは赤く染まり、
秋を告げてくれています。

 さてさて生後1ヶ月が過ぎた「ばなな」は
ミルクをいっぱい飲み、すっかり大きくなりました。

愛犬「ボー」とも大の仲良しで、
いつも鼻をつき合わせては遊んでいます。

先日「ばなな」の小屋の横で私が畑の
片付けをしていると、近寄ってきて
「遊んで!」と言わんばかりに
ぴょんぴょんと跳ねていました。

もうすぐ雪が降ってくるので、外の小屋から親牛たちのいる牛舎へ移してあげます。
この冬は牛舎がとっても賑やかになることでしょう。

 これから益々寒くなり冬の準備に忙しくなりますが、
皆さん風邪などひかぬようにお過ごしください。


 10月

 蒸し暑かった日々もようやく落ち着き、
秋らしくなってきたこの頃です。

皆さまにお知らせがあります!

 8月29日に「なな」が無事お産をし、
待望の雌のホルスタインが生まれました。

名前は「ばなな」です。

雌が生まれたのは6年ぶりだったので、
元気に生まれてきてくれて本当に嬉しかったです。

「ばなな」は顔がおばあちゃんの「ちょん」にそっくりで、
真っ黒い顔とおでこに白いチョンがあります。

性格も似ていて人なつこく、
そばを通るとすぐによって来てミルクを催促します。

順調に育てば2年後には母牛になるので、
農夢の牛乳の仲間入りとなります。

先日「除角」と言って角が生えてこないように
焼きごてで焼く作業をしました。

可愛そうなのですが、角が生えると人も牛も怪我をしてしまうので、
なるべく小さいうにちに処置をします。

これから離乳、保育と大忙しになりますが、本当に楽しみです。

お父さんは毎日ミルクをあげながら「いいこに育ってくれよ!」
と言い聞かせています。

どうぞ「
ばなな」を宜しくお願いします。

 9月

 朝夕が少しだけ涼しくなり、過ごしやすい季節になりました。
それでも日中は暑いですね。

山にはもう秋の草花、小さな白い菊や萩、
そしてススキが咲き始めています。
そんな花の彩りを見ていると、
この暑さももう少しなのだと思います。

 草花と言えば、先日小学生数人と
「牛の好きな草はどれだろう?」と色々な草を
牛にあげてみました。

牛はどんな草でも「ムシャムシャ」と
食べると思っていたのですが、
その時一つ食べない草がありました。
臭いをかいだだけで食べないのです。

良く食べる草に混ぜてあげても口もつけませんでした。
後で調べてもらったら「イヌホウズキ」と
言う草で毒性があるそうです。

牛は誰に教えられた訳でもないのにわかるのですね。
自分を守る力にびっくりしました。

これからだんだんと涼しくなりますが、
牛も私たちも短い夏を楽しみたいですね


 8月

 北海道の夏らしい爽やかな日が続いています。
朝夕気温が低いので、牛も人も過ごしやすいですね。

例年なら牛舎では、大型扇風機を朝から回す時期ですが、
今年はまだ1回だけです。 これからが夏本番!
牛たちへの暑さ対策を、万全にしてのりきっていこうと思います。


農夢のThanks Giving Day !

 日頃の感謝を込めて8月11日(土)12日(日)の二日間のみ
ですが(10時~4時30分) クリーマリー 農 夢(MILK BAR)で 
牛乳ソフトクリーム(1個250円)を用意します。
ぜひ食べにいらしてください。

また、現在口蹄疫予防のため牛舎は立ち入り禁止ですが、
この二日間午後2時から牛舎をご案内します。

手洗い、靴の消毒などご協力を頂きますが、
この機会に牛たちに会いにいらして下さい。
お待ち申し上げております。

 

 7月

  遅かった春の始まりから、
あっという間に夏がやってきました。

牛たちは毎朝、放牧地に出て行くのが楽しみで楽しみで、
搾乳が終わるとドタバタと出て行きます。
新緑の木々と青い草の中にいる牛たちの姿を見ると
本当に心が和みます。

 今年も「削蹄師(さくていし)」さんに来て頂き、
牛の蹄(ひづめ)の手入れが行われました。
年2回お願いしているのですが、ずいぶん伸びていました。
放牧をしていると石や木の根などに引っかかり、
蹄を痛めて帰ってきます。
また、ひどいときは蹄が腐る病気にかかったりもします。
削蹄師さんとは、牛や馬の蹄を整える
資格を持った専門の方たちです。
大変危険な仕事なのですが、あの重たい足を持ち上げて
鋭い鎌で手際よく削っていきます。

さてさて5頭の牛たちはすっかりきれいなネイルになって
今日もさっそうと放牧地へ出かけていきました!!


6月

 あっという間に春がやってきて、
若葉の美しい季節になりました。
山の桜やスミレの花がいっせいに咲き、
本当に賑やかな景色でした。

この冬は雪が多く、溶けるのが遅かったので、
牛の放牧もいつもの年より一ヶ月以上遅れました。
春がいっぺんにやって来たのでもう大変です。

放牧地の周りに牧柵を張る作業、運動場をきれいにしたりと、
牧場の整備は大忙しです。

お父さんが放牧場で仕事を始めると、
牛たちはソワソワと牛舎から出てきて見ています。
早く広いところに出たくて仕方がないのでしょう。
裏山に出してあげると、次の日からは「モーモー」と
催促しています。
そして、少しだけ伸びた草を
一生懸命器用に食べています。

こうして牛乳もだんだんと次の季節、
夏の味へ移り変わっていきます。

5月

雪解けも一気に進み、みるみる暖かな気候になってきました。
しかしそんな天気をよそに、
大変なことが起きたのでした。

 出産予定日前日の「はる」が、放牧地の急な北斜面から、
なんと50メートル下の沢まで雪の上を滑り落ちたのでした。

雪がクッションになったのが幸いして「はる」は無事でしたが、
深い雪に足を捕られて身動きがとれないでいたのです。

お父さんは重機を持ってきてロープで引っ張ったのですが
まだ雪が深く、重たい牛の身体は2、3歩前進しては
くたびれて「ふーふー」。

おまけにすぐ横には川が流れていて、いやな予感が的中し、
身体の重心が傾いた瞬間、川に落ちてしまったのでした。

引っ張っても川から登ることが出来ず、
このままでは助からないのではないかと思いました。

しかし何とか川岸を斜めに崩して引っ張り、無事救出
したのはもう沢に落ちてから6時間も経っていました。

「はる」も私もお父さんも
言葉も出ないほど疲れ果ててしまいました。

 そしてお腹の仔牛は?と、心配したのですが、
それから5日後無事出産しました。

「母は強し」。子を守る母の力とはすごいものですね。

「はる」は毎日仔牛を一所懸命舐めてやっています。
 ホッとしたと同時に、「はる」と共に本当の春がやってきました。


 4月

 雪が溶け出して春までもう一息と思ったら、
また寒さと雪の毎日ですね。

それでも裏山を見上げると、木々のあいだを小さな鳥が
飛び回り、ネコヤナギに綿帽子がついて、
少しだけ春を見つけることが出来ました。

夕方西の空に輝いていた二つの星も、
ずいぶん高いところに見えるようになり
季節の移り変わりを感じました。

まだほんの少しですが、あちらこちらで
春を見つけると嬉しくなります。

雪が溶けて早く暖かな春がやってきたらいいですね。

 4月は、色々なことが新しく始まる季節です。

生活や環境が変わって慌ただしい時期です。

風邪も流行っていますし
まだ寒い日がやってきそうですが、
身体に気をつけてもうしばらく頑張りましょう!


 3月

 3月というのに寒い日が続いていますが、
いかがお過ごしでしょうか?

それにも増して今年の雪はなんて良く降るのでしょう!!
農場の中は見渡す限り雪の山です。

いつもの年なら今頃になると牧場のあちこちに
フキノトウが顔を出すのですが、ちっとも見あたりません。

 牛たちの大切な飼料「乾草」が貯蔵してある
D型の納屋の上にもたくさんの雪が積もり、
このままでは雪の重みで建物が潰れてしまうので
お父さんと長男が屋根に上がり雪下ろしをしました。

登ってみると下から見るよりも雪の量は多く積もっていて、
なんと二人で4時間もかかってしまいました。

牛舎の裏の放牧場も今年は何回も雪に埋もれてしまい、
そのたびに雪をハネ(除雪)ています。

牛たちは雪山がなくなって放牧場が広くなると嬉しいのか、
寒くても走り回っています。

こんなに雪ハネをした年はないくらい雪が多く寒い冬です。

 早く暖かくなって春をいっぱい
感じることが出来たらいいですね。

 2月

   穏やかに明けた1月もあっという間に過ぎ、
毎日寒い日が続いていますが、
新しい年をいかがお過ごしでしょうか?

今年は雪が多い上にマイナス15℃前後の日が多いので、
家の外や牛舎はまるで冷凍庫です。

いつもの年なら年が明けると
日差しが少し春めいて見えるのですが、
今年はちっとも感じません。

 昨年暮れに生まれた2頭の仔牛たちも出舎し、
牛舎に響いていた可愛い泣き声も
聞こえなくなり、ひっそりとしています。

その2頭の母牛、「ちょん」と「Qちゃん」が
牛乳をいっぱい出してくれるので
毎週チーズをたくさん造っています。

 今造っているのは冬のチーズ「サワー」や
「青カビ系のチーズ」、そして1年半以上熟成させる
「フルリーヌ」などです。

特に「サワー」と「フルリーヌ」は
冬の牛乳でなければできません。

「サワー」や「ブルーチーズ」が仕上がる頃は
暖かな春がやって来るかな?などと考えながら
高くつもった雪の山を眺めています。

 1月

  あけましておめでとうございます。


 今年は穏やかな年明けとなりましたが、
皆さまお元気に新しい年をお迎えのことと思います。

 昨年末には牛乳不足で配達をお休みさせて頂いたお客様に、
大変ご迷惑をお掛けし申し訳ありませんでした。

その後2頭の牛が次々とお産をし、
牛乳がたくさん出るので今度は保存できるチーズ造りに
追われる毎日となりました。

今年はこのようなことがないようにと思っておりますが、
受胎ばかりは自然のことなので、なかなかうまくいきません・・・。

そんな訳で私たちは親牛5頭、仔牛2頭と共に
賑やかに新年を迎えることが出来ました。

しかし本当に残念だったのは、
仔牛は2頭とも雄だったことです。
でも母牛も仔牛も共に元気なので何よりです。

 今年も牛たちと共に、安心して食べて頂くことのできる
美味しい乳製品造りに励みますので、
どうぞ宜しくお願い致します。