2022/01/24 02:08

12月

 今年は早い冬の到来で、
ビックリしているうちにもう12月となりました。

いつもなら、まだまだ放牧地で秋の日差しを浴びている
牛たちは、すっかり行動範囲が狭くなり、
降り積もった雪の上でじっとしています。

冬の準備が出来ていないうちに雪が積もったので、
晴れ間を見ては放牧地に張ってある電気牧柵を
かたづけたり、雪をこいで木の冬囲いをしたり大忙しです。


 さて今年は「一般社団法人 アニマルウェルフェア畜産協会」が
立ち上がり、家畜たちのための第一歩の年となりました。

今後家畜を飼育する人、そして生産されたものを消費する人たちに
少しずつでも広まってくれることを願っています。

 今年も1年間ありがとうございました。
来年も牛たちと共に幸せが一杯詰まった製品をお届けしますので、
どうぞ宜しくお願い致します。

楽しいクリスマスそして良いお年をお迎えください。


 11月

 初雪が降り、冬の到来です。
裏山の紅葉は、柏の木のオレンジ色が
今年は特にとても美しく輝いています。

牛舎では夏の間外してあった
窓や扉を取り付け、毎年恒例の冬支度です。

 外に置いてあった「あき」の子牛小屋も片付けたので、
いよいよ「あき」は母牛たちの中に仲間入りです。

みんなにいじめられないかと心配していたのですが、
なんと「あき」は母牛たちのいじめをものともせず、
皆を吹き飛ばして乾草を食べています。

中でも「ばなな」はわざと負けてあげている様子で、
何だか微笑ましく見えました。

そんな姿にほっとするやら、大きな母牛たちの中で
小さな身体で頑張っている「あき」の姿がたくましく思えました。

小さな「あき」も来年にはお母さんになるかもしれません。

 

10月

 今年の秋はお彼岸を過ぎても暖かく、
足踏みをしているようです。

そのお陰か我が家の畑の茄子も、
小さな実を付けて頑張っています。
それでも少しずつ朝晩涼しくなり、木々が紅葉してきました。

 牛たちは長い長い暑さに耐えて、
やっと一息ついているようすで、
残り少なくなった青草を一生懸命食べています。

特に「ばなな」は私たちの顔を見るたびに「べーべー」と鳴きます。
その顔から「草が少ないよう!」と
訴えているのがすぐにわかります。

 さて今年も農家の方から牛たちへ、
秋の味覚の南瓜が一杯届きました。
ナタで細かく切って最初は少しずつ与えます。

一年ぶりのおやつに
「Qちゃん」は目を丸くして喜んでいます。

「トントン」とナタの大きな音が牛舎に響き出すと、
もうすぐ冬がやって来るのです。

今年も南瓜を一杯食べて、
牛たちが風邪をひきませんように!

9月

 今年の夏は気温が高く、
旭川には珍しく蒸し暑い日が多いですね。
皆さま体調を崩していませんか?

 湿気の多い天気は、
私たちそして動物たちも大の苦手です。

牛舎で夜中は止めている扇風機を一日中回したり、
搾乳のたびに牛の身体に水をかけてあげたり、
暑さ対策に追われています。

また搾乳中牛を刺しに来るアブやハエが多いので、
「ハエたたき」が手放せません。

せめて夜だけでも涼しくなってくれればと思う毎日です。

 先日の「農夢のThanks Giving Day」には、
暑い中多くの方が来てくださり、搾乳見学にも参加してくださり、
本当にありがとうございました。

一年に一回ですが、皆さまにお会いできて良かったです。
これからも皆さまへの感謝の気持ちを忘れず、
牛たちと共により良い乳製品を
つくっていきたいと気持ちを新たにしています。

どうぞ宜しくお願い致します。


 8月

 今年も暑い夏がやって来ました。
牛たちは朝の搾乳が終わっても
なかなか外の放牧地に出たがりません。

お父さんが「行くぞー!」と先頭を切って行かないと、
みんな付いて行かないそうです。
でも暑いので、すぐに戻って来てしまいます。

こんな熱い中でも牛乳を出してくれる牛たちに、
感謝の気持ちで 一杯です!!

農夢のThanks Giving Day !

 日頃の感謝を込めて8月13日(土)14日(日)の二日間
のみですが(10時~4時30分)
クリーマリー 農夢の「オリジナル牛乳ソフトクリーム」
(1個300円税込)を用意します。

また普段感染症予防のため牛舎は立ち入り禁止ですが、
この二日間だけ午後4時30分から搾乳作業を
見学できるようにします。

手洗い、靴の消毒などご協力を頂きますが、
この機会に私たちの牛を見にいらして下さい。

 
7月

 あっという間に今年も半分が終わり、夏本番の季節となりました。
牛たちも放牧地にいる時間が長くなり、
草を求めて一生懸命です。

 さて、以前からお話ししていた
「アニマルウェルフェア」(動物福祉)の認証制度が
先月(一社)アニマルウェルフェア畜産協会により創設されました。

家畜たちにストレスのない快適な環境で過ごすなかから、
安心安全な畜産物が生まれる。
その事を私たちはいつも第一に考えてきました。

私が40年前に一冊の本と出会い、気がついたことでした。
学生時代に色々な牧場で実習していた頃のことです。

牛たちを牛舎の中で一生繋ぎっぱなしで
飼っている牧場があれば、
搾乳作業以外は放牧地で日の光を自由に浴び、
草を食み、寝ながら反芻する牧場など。

その本(アニマルマシーン)はこの対照的な飼育方法の
牛から生まれる畜産物は違うのでは?
と世の中に初めて問いかけたものでした。

そしてその様な畜産物がきちんと分けて流通される時代が
いつか来ると私は信じていました。

家畜を本来の生理生態に出来るだけ沿った
飼い方をしてあげること。
当たり前のことだったのですが
生産性ばかりが先走り、なかなか普及しない考え方でした。

EUでは早くから普及し、
販売店でも製品は区分けされていました。

近々この日本でも「アニマルウェルフェア畜産によって
生産された製品です」というロゴマークシールを製品に貼って
販売できるようになります。

このことを一人でも多くの方に理解して頂き、
幸せな家畜たちが増えることを切に願うばかりです。



6月

 美しい若葉が、まぶしい季節になりました。
毎年この新緑を見ると、
一年中で一番良い景色だと思います。

 そんな中、牛たちは伸び始めた
若い草を食べています。

一度に食べ過ぎると良くないので、
少しずつ放牧の時間を長くしていきます。

「はる」と「ばなな」は、放牧の時間が待ちきれずに
「早く食べさせてくれ」と言わんばかりに
「べーべー」と訴えてはゲートの前で待っています。

いよいよ時間になり、お父さんが「おいでー」と一声かけると、
「まってました」と牛たちは一斉に走ってきます。

そして我先にと取り合うように
「むしゃむしゃ」と一生懸命に食べています。

しばらくして「もうおしまい!」、
と牛舎へ誘導するのですが、
まだ草を食べたい牛たちはなかなか帰ろうとしません。

「もっと食べたいのに!」と言う顔をしながら、
振り返っては渋々帰って行きます。

この時期から徐々に牛乳の味が変化していきます。
青草と共に
春から夏に変わっていく牛乳の味をお楽しみください。

 急に暑くなってきたので、
届いた製品はなるべく早く冷蔵庫へ入れてください。

どうぞよろしくお願い致します。


5月

 今年の春は進んだり戻ったりで、
なかなか暖かい日が続きませんね。
皆さま体調を崩していませんか?
 
先日、毎年恒例の春一番、
裏山への牛の放牧は順調に行われ、
今年も牛たちの元気なスキップを見ることが出来ました。

あの牛たちの嬉しさ一杯の姿を見ると、
長い冬に耐えたのだと強く感じました。

 そんな放牧の少し後、
昨年導入した母牛の「ゆめ」が無事お産をしました。

「ゆめ」の出産予定日、
夕方の搾乳を終えてお父さんと「まだまだだね」と家に戻りました。

そして夕食後お父さんが牛舎に向かうと、
何だか牛たちが騒いでいるので急いで中に入ると、
大きな母牛たちに囲まれて、
小さな牛が「べーべー」と元気に鳴いていたのでした。

その様子がとっても元気なので、
その気っ風の良さから「ゆめきっつぁん」と名付けました。

またまた雄のホルスタインでしたが、
「ゆめきっつぁん」の元気な鳴き声が、
早く春を連れてきてくれる事でしょう。


4月

 雪の溶けた土の中からフキノトウが顔を出し、
すっかり暖かくなりました。
木の芽も膨らんできたように見えます。

夜牛舎の電気を消しに行くと、
月がこうこうと美しく輝いていました。

しばらく、牛舎の前で空を見上げていると、
東から吹いてくる風に春の気配を感じました。

 この季節牛たちは、牛舎裏の運動場の雪が溶けると、
決まって土に顔を押しつけてドロドロの顔で帰ってきます。

その顔がとてもおかしくて、
「せっかくの美牛がだいなしだよ!」と笑っています。

きっと、半年ぶりの土の香りが嬉しくてしょうがないのでしょう。

犬の「ぼー」も散歩をしながらいろんなところでクンクンと
臭いをかぎ、猫の「にょんにょん」は日だまりでゴロゴロしています。

日が長くなるとみんな嬉しくなってきます。
春っていいですね!!


3月

 季節外れの大雨、そして前日との温度差が
15度近くもある雪の日と続き、
「春はどこへ行ってしまったの?」と思うほどでした。

 そんな中、不思議な景色を見ることができました。

木の枝に付いた雨が凍って、
全体がみるみる氷をまとっていったのです。
これは「雨(う)氷(ひよう)」という現象だそうです。

翌日晴れ間が出ると、
キラキラと輝きとても美しい光景でした。
そして風が吹くとどこからともなく風鈴のような、
ガラスとガラスがふれあうような繊細な音が聞こえてきたのです。

よく見ると、凍った木の枝がぶつかって奏でた、
なんとも不思議な音色でした。

自然が作り出す現象には、時折ビックリさせられます。
そんな中牛舎まで歩いて行くと、
牛たちは「雨氷」など知るよしもありませんが、
あの不思議な音色を聞いて、
本当の春がやって来る日を知っているのかもしれませんね。



 2月

 少しずつ日が長くなり、夕方明るいと嬉しくなります。
裏山では今年もリスが木々を渡っていき、
鳥たちがせわしく飛び回っているのを見かけると
春の訪れを感じます。

 牛たちは気温が下がった日でも、
晴れると外に出て日向ぼっこをして
気持ちよさそうにしていいます。

愛犬「ぼー」と牛舎から散歩に行こうとすると、
愛猫「にょんにょん」も外に出たがり、
扉の前で待っています。

でも「にょんにょんは足が冷たくなるから中にいてね!」
と言って出ます。

その時は我慢している「にょんにょん」ですが、
散歩が終わって、しばらくしてから牛舎に戻ると
外には可愛い足跡が一杯!!

牛たちの出入り口から出て,一人で散歩していたのでしょう。

動物たちも春を感じて、
寒くても外に出たい季節なのですね。

早く暖かくなるのを待ちましょう!



1月

あけましておめでとうございます



 2016年、初日の出は拝めませんでしたが、
サラサラと降る粉雪と共に明けました。

朝早く牛舎に入って電気を付けると、
愛犬「ぼー」と愛猫「にょんにょん」は
もう起きていて駆け寄ってきました。

牛たちはみんな静かに寝ているのかな?
と思ったら「ゆめ」だけがむしゃむしゃと乾草を食べていました。

他の牛たちに「みんなあけましておめでとう!」と
声を掛けても知らんぷりです。
そんな穏やかな年明けでした。

本年も皆さまにとって楽しいことが
一杯ありますようにお祈りしています。

そして今年もこの牛たちと共に
幸せ一杯の乳製品づくりに励みますので、
どうぞ宜しくお願い致します。


まる子10才 


Qちゃん9才 


はる8才 


ばなな3才


 ゆめ3才


こごみ2才


さくら1才8ヶ月


あき3ヶ月