2022/01/24 02:08

12月

 雪が積もりはじめ、
今年もあっという間に12月を迎えました。

牛たちはだんだんと行動範囲が狭くなってきましたが、
晴れ間が出ると外に出て太陽の光を一所懸命浴びています。
 
 さて先日「生活協同組合コープさっぽろ」より
農業大賞(特別賞)をいただく事が出来ました。

受賞理由として「アニマルウェルフェア畜産を実践し
牛に負荷をかけない酪農、そしてその牛たちから生まれる乳製品づくり、
食育の取り組み」が評価されたのでした。

長年実践してきた「アニマルウェルフェア」を
理解して頂いたことを大変嬉しく思いました。

これもみな様が、私たちの取り組みを応援してくださった結果
だと心から感謝しております。

今後ともこの姿勢を崩すことなく牛たちと共に歩んでいきますので、
どうぞ宜しくお願い致します。

 今年も一年間ありがとうございました。
どうぞ良いお年をお迎えください。


11月

 すっかり秋が深まり、
紅葉が朝日に照らされて黄金色に輝いています。
朝晩と冷え込むようになり、
冬はもうすぐそこまで来ているようです。


 さてさて先月の初め、
「あき」が初めてのお産をしました。

陣痛が来た朝は、
私たちの加工の仕事が一週間のうちで一番忙しい日でした。
お父さんは「あき」に「生む時はそばにいてあげるからね」と
約束していたので、それが叶わず心配でした。

私たちは仕事をしていても気が気でない時間でしたが、
無事に一人で生んだのでした。

しかしお産の後で出てきた後産を狙って
カラスと鳶がすぐ近くまで来て狙っていました。

すると「あき」が鳥たちから子牛を守るように
覆い被さって寝ていたのです。

その姿を見て、あの小さかった「あき」が
「母親になったんだなー」と感激しました。

そして「いいお母さんになったね!」と
一杯撫でてあげたのでした。



 9月

   お盆が過ぎて「もう秋かな」と思ったら、
また暑くなってきたこの頃です。
それでも朝夕は涼しくなり、過ごしやすくなりました。

そんな中、牛たちは夜間放牧に慣れてきて、
お父さんのかけ声で暗闇の放牧地へと出て行きます。
涼しい夜は牛たちにとって快適な気温になったので、
朝までいるようです。

 先日の「農夢のThanksgiving Day 」にはあいにくの雨天でしたが、
たくさんの方にご来場頂き、ありがとうございました。
また搾乳見学にも大勢の参加があり、
牛たちに関心を持ってくださっていることに感激しました。
改めて、お客様そして牛乳を出してくれている牛たちに
心から感謝しています。

今年はもうすぐ「こごみ」が出産、そして「あき」「ばなな」と続きますが、
その頃はきっと涼しさも増していることでしょう。

 季節の変わり目ですが、
夏の疲れが出ないよう体調に気を付けてお過ごしください。 10月

 日ごとに秋らしくなり、紅葉の季節となりました。
先日、久しぶりに愛犬「ぼー」と裏山を散歩していると、
栗、コクワ、ツリバナ、ウルシと秋を一杯見つけることが出来ました。

夏が終わり、秋は何だか寂しい季節ですが、贈り物を一杯くれますね!


 今年も早々に農家の方から牛たちへの南瓜が届きました。
牛舎の中は一足早い「ハロウィーン」のように、
色々な顔の南瓜が山盛りです。

お父さんが「トントン」とナタで南瓜をわりはじめると、
どこからともなく牛たちが集まってきて
「一切れ頂戴!」とおねだりです。
一口もらったときの牛たちの嬉しそうな顔!!
農家の方に感謝です。

 南瓜は、搾乳後の餌と一緒に与えるのですが、
牛の食べ方がそれぞれ違って面白いです。

最初に南瓜だけ食べるもの、南瓜を最後に食べるもの、
南瓜と他の餌をごちゃ混ぜで一緒に食べるものと様々です。

「コリコリ」といい音を立てながら南瓜を食べる牛たちの
嬉しそうな顔を見ながら「今年も健康で冬を越してね」と願っています。



8月

  今年の夏は本当に蒸し暑いですね。
北海道の夏は短いとは言え、
こんなに続くと身体にこたえます。

そこで牛たちが夏バテしないように、
夜間放牧に切り替えています。
暑い中でも乳をしっかり出してくれる牛たちが、
少しでも楽になればと願うばかりです。


農夢のThanksgiving Day !
~日頃の感謝を込めて~

 8月12日(土)13日(日)は、普段感染症予防のため
牛舎は立ち入り禁止ですが、午後4時30分から搾乳作業を
見学できるようにします。

手洗い、靴の消毒などご協力を頂きますが、
この機会に私たちの牛を見にいらして下さい。

またここでしか食べられない「農夢の牛乳ソフトクリーム」
(1本300円税込)をこの2日間のみ販売致します。
他にアイス・チーズ・お菓子など用意致します。


7月

 暑い日があったかと思うと、急に涼しくなり
気温の差が激しい毎日ですが、体調を崩していませんか?

それでも木々の緑がだんだんと濃くなってきて、
本格的な夏はもうすぐそこまで来ている気がします。

 3月に生まれた育成牛の「まめ」は
ずいぶん大きくなりました。

6月の終わりに離乳したのですが、
ミルクをあげていた時間になると
「べーべー」と催促してないています。

そしてすっかり自分が「まめ」という名前だと覚えて、
お父さんが「まめ、いつまでもなかないんだよ!」
と言うとまた「べーべー」と可愛い声で答えています。

そばで世話をしていると頭突きをしてきて、
本人は甘えているつもりなのでしょうが、
ずいぶんと力が強くなっているので、
吹き飛ばされそうになります。

その成長ぶりに嬉しい反面、
「やんちゃな母牛になったらどうしよう」
と心配しています。

何はともあれ元気が一番!
夏に向かってすくすくと育ってほしいと願っています。


 6月

 今年も新緑の美しい季節がやってきました。
北海道のこの若葉の景色は、
長い長い冬を耐えて迎えたからこそ
より輝いて見えるのでしょう。

 牛たちの放牧地も、青草が日ごとに延びてきました。
農夢の放牧は、牛たちを
広いところにいっぺんに放すのではなく、
細かく区切って、草の伸びたところに
順番に放していきます。

お父さんが「今日はここ!」と
ゲートを操作し誘導するのですが、
となりの放牧地が青く見えるのでしょう。

「こっちの方がいい!!」と、「ばなな」を先頭に「ゆめ」「はる」が
「べーべー」と私たちの顔を見て訴えてくるのです。

たくさん食べ過ぎるとお腹をこわすので、
時間と量を考えて放牧地を選んでいるのです。

そんな気持ちをよそに
今日も「べーべー」と訴えている「ばなな」たちです。

 5月

 もう5月というのに雪のちらつく肌寒い日があって、
なかなか春を感じる事ができません。
皆さま体調を崩していませんか?

 今年は例年より10日遅れてやっと山の放牧地に
牛たちを放してあげることが出来ました。

毎年お父さんの声掛けで、
牛たちはゲートの前に集まってきます。

そしてゲートを開けると同時に、
私が山の上から動画を撮り始めました。

するとみんないっせいにダッシュしてきたのは良いのですが、
喜びのあまり、私に突進してきたので
思わず逃げてしまいました。

それから何度も「ばなな」と「Qちゃん」「あき」が
走り回っては私のところに来ました。
嬉しくってたまらなかったのでしょう。

お父さんが「みんなうれしいなー!」とスキップをしてみせると、
牛たちもまねをして、後ろ足を跳ね上げてお父さんについていきました。

この風景が農夢の春の訪れなのです。
「今年も怪我しないで元気でいてね!!」と
見学に来ていた愛猫「にょんにょん」と山を下りてきたのでした。

4月

 日差しが強くなり、
すっかり春らしくなってきました。

それでも時々冷え込んだり、雪がちらついたり、
これが三寒四温なのでしょう。

 さてさて、3月の終わりに
9才の牛「はる」が無事雌のホルスタインを出産しました。

「バンザイ!」後継牛の誕生です。
小柄ですが、元気な声が牛舎に響いています。
「はる」は7回目のお産だったのですがとても安産でした。

 こうして牛たちは長い冬を耐えて過ごし、
春を迎え、身体の毛が生えかわり・・・と牛たちの
生活は毎年いつもどおりです。

でもこの「いつもどおり」が
牛たちにとって一番大切なことなのかな?と思っています。

そして、私たちも牛たちをとおして季節を感じ、
「いつもどおり」生活することに幸せを感じています。

 3月

 冷たい風雪の中にも、
春の匂いがする季節となりました。
風邪が流行っているようですが、
みな様大丈夫ですか? 

 牛たちは長い冬の寒さに耐えて、
日差しを少しでも浴びたいのか牛舎から
外に出る時間が多くなってきました。

冬を堪え忍ぶと、牛たちの体格はなんとなく
一回り大きくなったように見えます。

小さかった「あき」もいつの間にか大きくなり、
育成牛用の寝床が狭くなったのでしょうか、
時々一人前に広い親牛用の寝床に寝そべっています。

そんな後ろ姿が
だんだん親牛と変わらなく見えてきたのです。

そしてある日気づいたのですが、
沢山ある寝床の中でも
たいてい母「はる」の横で寝ているのです。
「身体は大きくなってもやっぱり母娘なんだね!」
と微笑ましく見ていました。

 本当に暖かい春が待ち遠しいですね。

2月

 新しい年が始まり、
あっという間に1ヶ月がたちました。

朝夕と日が長くなったと感じるものの、
毎日の寒さは一年中で一番です。

 ここ数日の冷え込みで、牛舎の中は凍ってバリバリです。
牛たちの糞尿も凍り付いてしまうので、
この時期の朝の糞出しは一苦労です。

 そんな寒い日でも昼近くになり、
晴れてダイヤモンドダストが見える頃になると、
牛たちは牛舎から外に出て日光浴をします。

先日、牛たちがみんな同じ方向を向いて
日光浴をしていました。

その姿を見て不思議に思ったのですが、
きっと太陽の光をなるべく身体全体に浴びようとする
牛たちの本能なのだと思いました。

そして、「賢い、賢い」と親バカになっていたのでした。

 牛たちを見習って私たちも寒いからと縮こまっていないで、
身体を動かして頑張らねばと思う毎日です。


 1月

あけましておめでとうございます

 旭川は、曇っていてあいにく初日の出は見られませんでしたが、
雪も冷え込みも少なく穏やかな年明けでした。

元旦の朝、愛犬「ぼー」と初フリスビーで遊んでから
牛舎に行くと、「はる」と「ゆめ」が乾草をほおばっていました。
「お正月にぴったりの2頭だね!」と笑っていました。

昨年のクリスマスの日、
「ばなな」が無事3回目のお産をしました。

子牛の名前は「クリス」です。
母子共に元気で、「ばなな」は「クリス」の姿を見ては
優しく語りかけるような声でないては舐めてあげています。

その声はいつもと違って母親の声です。

そんな姿を見ていると無事に産み、
そして生まれてきてくれたことに
感謝の気持ちで一杯になります。

さて今年はいったいどんな1年になるやら・・・。
ただただ牛たちが健康で
幸せに暮らしてくれたらと願うばかりです。

みな様も幸せな一年になりますように!
本年もどうぞ宜しくお願い致します。